藤嶋学長 文化勲章受章

東京理科大学の藤嶋昭学長が、平成29年度文化勲章を受章しました。
文化勲章は、我が国の文化の発達に関して顕著な功績のあった者に対して授与される勲章です。

光触媒効果の発見

藤嶋学長は昭和41年に横浜国立大学を卒業、昭和46年に東京大学大学院工学系研究科の博士課程を修了し、神奈川大学工学部講師、東京大学大学院工学系研究科教授などを経て、平成22年1月に東京理科大学の学長となり、現在に至っています。
また、これまでに朝日賞、日本化学会賞、紫綬褒章、日本国際賞、日本学士院賞など多数受賞しており、平成22年度には文化功労者に選ばれています。
今回の受章は、光化学・電気化学の分野において酸化チタンの光触媒作用を発見し、以後50年の長きにわたり、この原理を発展させ、塗布するだけで太陽光と水で汚れを落とす技術などを実用化し、現在も環境改善の手段として広く社会に活用されていることが評価されたものです。
親授式は昨年11月3日(金)の文化の日に行われ、宮中において天皇陛下から親授されました。


東京理科大学学長 藤嶋 昭
1966年、横浜国立大学工学部電気化学科を卒業後、東京大学大学院工学系研究科に入学し、博士課程を修了。
1986年に東京大学工学部教授となり、(財)神奈川科学技術アカデミー理事長、東京大学特別栄誉教授などを歴任。
2004年から東京理科大学の特別顧問を務め、2010年1月より現職。


世紀の発見「光触媒」と歩んだ50年

発見当時、大学院生だった藤嶋学長は、以来50年にわたり光触媒の研究を続けてきた。環境技術への応用にこだわり続け、ついには文化勲章を受賞した。その研究活動の背景には科学者としての揺るぎない信念があった。
藤嶋学長は1942年に東京に生まれる。幼少期は愛知で過ごし、自然に恵まれた環境のなかで育ったことが科学者へのベースとなった。
横浜国立大学工学部に入学すると、夏休みには旅をしながら地方の中学校で理科の出前授業を行う。その経験を通じ、理科を教える楽しさを実感したという。卒業論文のテーマは「試薬の純度」。66年、東京大学大学院へと進学した。
大学院では菊池真一教授(故人)の研究室に入る。ここで、後に光触媒に関する論文を共同で発表することになる本多健一氏(東京工芸大学元学長・故人)と出会う。66年、当時助教授だった本多氏は写真現像に関する研究を行うなかで、藤嶋学長に光を当てながら電気分解を行う実験を依頼した。
藤嶋学長はまず始めに「シリコンに光を当てて水に入れると溶けてしまう」という論文などを読んだ。これまで実験をされていない物質はないかと探しているうちに、酸化チタンの単結晶を入手し実験に着手することを試みた。水溶液の酸化チタンに強い光を当てると、酸素が発生し、対極の白金からは水素が発生した。

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